ドイツの格付機関Scope社が発表した最新の対外脆弱性とレジリエンスランキングによると、スイスは、2020年の世界で最も強靭な国としてトップ3に入っています。同ランキングは世界63カ国の経済を調査し、比較しています。外的ショックの影響を受けにくい国としては、1位に台湾、2位が中国、3位がスイスという結果になっており、同社のプレスリリースで、アナリストは、「コロナウイルス危機によって不安定な市場状況が強調され、石油価格の暴落は、関連国の収支危機への危機感が明確になった結果である」と、世界的に困難な経済状況を認識しています。
リクイディティへのアクセスが有利
Scope社によると、世界的なショックとされる事象に対するスイスの経済的抵抗は、スイスフランの準備金と流動性の高い資本市場によって支えられている。国際金融市場が不安定な状況にあるときこそ、自由なリクイディティへのアクセスを提供しています。Scope社は、国際収支危機に対する経済の脆弱性と、危機における経済回復力のレベルによって、経済を評価しています。
コロナウイルスに立ち向かうスイスのイノベーション
同ランキングの結果は、特に、コロナウイルス危機の最中におけるスイスのイノベーション精神も反映しています。各国のイノベーション・エコシステムは、コロナウイルス・イノベーション・マップで示され、スイスは、ウイルス対策を目的としたイノベーションで世界5位と評価されています。コロナウイルスに関連する技術革新の概要は、スタートアップのエコシステム情報を提供するStartupBlink社がパートナー企業と協力して作成しています。
チューリヒがトップ10に
コロナウイルスと闘う世界的な取り組みの点では、米国とカナダなどの大国が世界をリードしているものの、トップ5にはエストニア、スイス、イスラエルなど、比較的小国もランクインしています。また、都市別比較においては、欧州都市のミラノ (5位) やロンドン (6位) に次いで、チューリヒが世界8位の結果でした。チューリヒのイノベーション・エコシステムが注目されたのは、特にディープテクノロジー分野での技術と、世界的なコロナウイルス流行に対する取り組みで積極的にその役割を担ってきたことに起因しています。