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スイスのスタートアップへのVC投資額が過去最高

「Swiss Venture Capital Report 2019」(スイスのオンラインニュースポータルstartupticker.chがスイスの投資協会SECAと合同で発表)によると、2018年のスイスのスタートアップへの投資額は初めて10億スイスフランを超えました。

スタートアップ拠点としてのスイス
スイスのスタートアップへの投資は10億スイスフランを超えました。特にICT分野への投資が増加しています。

スタートアップの増加は新しい技術やビジネスモデルの源となります。起業家精神と科学の接点におけるダイナミズムは、国の長期的な成長見通しの重要な指標となります。過去数年、スイスは、イスラエルやスウェーデンなどの国々と比較して後れを取っていましたが、現在では急速に追いつきつつあります。2018年のベンチャーキャピタルよる投資額は2億9千9百万スイスフラン増加し、前年比32%増となる総額12億3千万スイスフランを超えました。

ICT関連投資が倍増
120%以上増加と、成長が顕著に現れたのはビジネスや社会におけるデジタルトランスフォーメーションの課題解決に取り組む企業への投資でした。2018年、スイスのICT関連スタートアップ131社が出資を募り、国内外からの総投資額は6億8千5百万スイスフランにのぼりました。ICT関連企業への投資額が、ライフサイエンス / バイオ関連(2億5千3百万スイスフラン)、医療技術関連(1億2千3百万スイスフラン)やデジタルヘルス関連(4千5百万スイスフラン)への投資額を上回ったのは初めてのことです。

チューリヒ州は欧州トップ10内
スイス国内の地域的分布では、これまでトップだったヴォー州に代わり、様々な分野にわたる99社のスタートアップがチューリヒ州で5億1千5百万スイスフランのベンチャーキャピタル出資を受け、国内一の投資額を得ています。この投資額は欧州内でも上位10都市に入っています。

グーグル、アリババ、ポルシェが出資
過去数年、スイスのスタートアップは増資の資金調達に苦戦してきましたが、国際比較の観点ではその差は縮まっているのがわかります。投資総額の60%にあたる6億8千8百万スイスフランは投資先は、AVA、Nexthink、Climeworksなどを含むわずか20社のスタートアップでした。これらのスタートアップの多くは、国際市場におけるリーダーと成り得る存在で、グーグル、アリババ、ポルシェ、ヒュンダイ、ソニー、エアバスなどの大手企業にとって魅力的な投資先となりました。

4件のIPOと大規模取引
2018年後半に入ると市場のセンチメントは悪化しましたが、上半期に開かれたIPOによってスイスの技術系企業4社( Sensirion社、Medartis社、Polyphor社、ASmallWorld社)がこの機会を獲得しました。更に、約20社のスタートアップが大手企業への技術提携を行い、特に、ジュネーブのバイオ企業Prexon Therapeutics社の総取引額は約10億スイスフランと、大規模なものでした。

新規ファンドの増加
投資先に恵まれた環境により、近年のベンチャーキャピタル分野は他の資産を上回るレベルの収益をあげています。2018年には急速に高まる投資家の関心に応え、12以上の新規ファンドが設立されています。

出典:startupticker.chのプレスリリース

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