新オリンピック・ハウスの開業は、2012年にIOCが本部統合を決定した瞬間に始まった軌跡の集大成ともいえます。デンマーク出身の建築家3XNによって設計された新本部は、現時点でローザンヌの4拠点に分散して従事する500名の従業員をオリンピック・ハウスの1拠点に集めることが可能です。
6月23日以降、IOCは、施設とIOC関係者による会合の運営を担うヴィディのオリンピック・ハウスと、一般来訪者の受け入れを行うウシ―のオリンピック・ミュージアムおよびオリンピック・スタディース・センターなど、ローザンヌ内に2拠点あるオリンピック関連施設の恩恵を受けることになります。
「オリンピックの首都」、ローザンヌへのこだわり
オリンピックハウスの開業に伴い、IOCは「オリンピックの首都」ともいえるヴォー州・ローザンヌへのこだわりを改めて確認しました。新施設建設に向けた工事が始まった2015年は、IOCにとってローザンヌ拠点設立100周年と、記念すべき年でもありました。
オリンピックハウスは、持続可能性、運営効率性、地域経済発展性を見据えた民間資金によって賄われており、また、IOCが1世紀以上続けてきた地域経済への投資を象徴するものです。新オリンピックハウス建設にあたり、IOCはスイス連邦工科大学ローザンヌ(EPFL)と連携し、建築学科の学生に対して旧施設解体前に伴う有効資源の再利用における革新的な解決策を募集する機会を設けました。また、建設過程において地域の団体や教育機関と協力して進められたプロジェクトも数多くありました。