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世界で最も対応力を備えた国

スイス・リーとロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の調査によると、スイスは世界で最もレジエンスを備えた国として評価されました。同調査では、世界経済は2007年の世界経済危機以前に比べ、様々なショックへの対応力は未だに低い水準にあるとされています。

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©Swiss Re

再保険会社のSwiss Re(本社:スイス・チューリヒ)がロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)と協同で、世界のGDPの約75%を占める31ヶ国を対象に、新しい危機に直面した際の対応力を調査しました。

スイスの経済レジリエンスは再び世界1位

その結果、スイスは世界で最も対応力を備えた国であると評価されました。特に経済対応力の項目で0.84ポイントを獲得し、カナダ(0.81ポイント)や米国(0.79ポイント)が続いています。

同調査によると、世界経済は2007年世界経済危機時と比較して、その対応能力が衰えていることがわかりました。調査対象国の80%以上の国々が、2018年が2007年よりも低い対応能力を示していると公表しています。この傾向の主な要因は先進国における金融政策案の枯渇や、金融危機以降に施行された政策努力にもかかわらず継続する金融業界の厳しい経営環境が挙げられています。

スイスの対応能力においても、2007年時に続いて2018年時も世界トップの座を維持していますが、2007年時は0.89ポイントを獲得していました。

「近年の高度な金融緩和政策は中央銀行に行動範囲の余地をほとんど残さず、中央銀行の金融市場への依存を高めている」と、スイス・リーのチーフエコノミストJean Haegeli氏は説明し、更に「構造改革が進んでいないこともあり、今後も長期不況に陥る可能性が高い」と、報告しています。そして、世界には1兆2,000億米ドルという記録的な額のプロテクションギャップ削減の機会があるとされています。

スイスは他機関によるランキングでもトップレベル

スイスは他機関が実施するレジリエンス調査でも概ね高評価を獲得します。最近では、FM Global Resilience Index 2019でも世界3位の評価でした。同ランキングは米保険会社のFM Global(本社:米国・ロードアイランド州)が世界各国のビジネス界のレジリエンス調査を実施したものです。

 

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