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命を救ってきた知られざるスイスの発明品

コロナウイルスが世界的に流行しているなかで、現在、最も需要の高い製品の一つともいえるアルコールジェルの消毒剤。今では日常品として扱われるこの製品は、知られざるスイスの発明品です。アルコールのジェルは、1970年代にフリブール州立病院で薬剤師として勤務していたWilliam Griffithsによって初めて処方されました。その後、ジュネーブ大学病院の感染症専門家であるDidier Pittet氏が改良し、大衆化されました。

消毒剤を利用する人
アルコールのジェル消毒剤は、1995年にジュネーブ大学病院で発明されました。

1974年、フリブール州立病院の経営陣がWilliam Griffiths氏に容易に手指消毒ができるよう、アルコールを基盤とした解決策の開発を依頼しました。Griffiths氏は2年間の研究ののち、水、合成アルコール、クロルヘキシジンの混合物を開発し、この混合物が現在知られている消毒剤の始まりです。フリブール州立病院は、病院の衛生管理を促進するために、この混合物をスイス国内の病院での利用も推進しました。この発明の後、William Griffiths氏はジュネーブ大学病院(HUG)に移り、人工乳の研究を続けました。

1990年代に入り、ジュネーブ大学病院に勤務していた医師のDidier Pittet博士は石鹸による手洗いに代わる、より迅速で簡単な方法を模索していました。当時、石鹸での手洗いは非常に重要な行為でありながら時間がかかり、医療従事者は毎時間平均20回もの手洗いに多くの時間を費やしていたのです。幸運にもPittet氏は同じ病院内でアルコール混合物専門家の薬剤師William Griffiths氏に出会い、1995年にGriffiths氏とPittet博士の共同研究によりアルコールジェルは誕生しました。

スイスの発明品が世界基準に

今日、Pittet博士の病院関連感染を予防する手法は「ジュネーブ手指衛生モデル」として知られ、世界約170カ国で実施されており、水アルコール混合溶液はWHOの必須医薬品リストとしても挙げられています。

Pittet博士の開発チームは、この発明に関するすべての知的財産権を放棄し、民間企業からの侵害を避けるためにWHOに化学式を譲渡しました。結果として、今日では誰もがアルコールジェルを作成が可能で、一部の国では、サトウキビ、キャッサバ、ナッツなどの原料を用いて生産するなど、世界中に浸透する製品となっています。

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