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農業の未来はスイスから

スイスの農業協同組合fenacoとスイス連邦工科大学チューリヒ(ETH)のスピンオフ企業YASAIは、垂直農業分野で世界初となるパイロットプロジェクトの実現可能性を模索しています。循環経済指針に基づき、持続可能な食料生産の慣行促進を目指します。

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YASAIとfenacoは、チューリヒの循環経済の指針に基づき、世界初となる垂直農法のパイロットプロジェクト実現を目指します。©iFarm/fenaco

スタートアップのYASAI とスイスの農業共同組合fenacoは、チューリヒの循環経済指針に基づき、世界初となる垂直農業パイロットプロジェクトの実現を計画しています。YASAIのプレスリリースによると、同プロジェクトには既に総額150万スイスフランが投資され、Fenacoによる50万スイスフランの融資も含まれています。

垂直農業は都市農業分野におけるイノベーティブな生産形態として注目を集めています。垂直に段を重ねる複合施設内で、果物や野菜、ハーブなどを栽培し、年間を通じて安定した生産を目的としています。プレスリリースでは、同プロジェクトでは積層工法を採用し、水の使用量を全体で90%削減しながら、1㎡あたりの生産性をこれまでの10倍から15倍に引き上げると説明しています。この農法の利点として、農薬が全く使用されないことが挙げられ、仮に必要な場合でも、その量は限定的あるとしています。

このパイロットプロジェクトの包括的な目的は、将来的にさらに大規模なプロジェクトの実現に向けて必要とされる洞察を得ることにあります。様々な製品カテゴリーにわたる規模で実行するにあたり、経済的観点から財務的実行可能性を検証し、相乗効果を活用することでエネルギー消費の削減も視野に入れています。また、今回のプロジェクトでは、 Agroscope社と協力して「中心的な農業問題」の解決策を探る予定です。

「fenacoという強力な産業パートナーにより、我々は多くの市場と顧客の知識を活用することができます。技術を拡大し、スイス市場で展開する際に非常に重要な要素です」と、YASAIのCEOであるMark Zahran氏はプレスリリースで述べています。スイス連邦工科大学チューリヒ (ETH) からのスピンオフとして設立されたYASAIは、垂直農業分野における様々なソリューション開発を行っています。

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