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​CERNとEPFLが癌治療の革命にむけて共同研究

CERNとEPFLが共同で実施しているGaToroid研究プロジェクトは、最先端の技術を用いて癌を治療する新技術「ハドロン療法」の開発に貢献しています。

​CERNとEPFLによるハドロン療法
ハドロン療法は、荷電粒子を用いて腫瘍に高度な局在化した線量を送達させる放射線療法です。​©CERN

​2017年、Enrico Felcini氏は、スイス連邦工科大学ローザンヌ(EPFL)の応用超伝導グループで責任者を務めるBertrand Dutoit氏の指導の下、応用超伝導の博士課程を開始しました。その3年後の現在、Felcini氏は癌治療の未来を変える可能性を秘めた超伝導磁石に基づく新しいガントリー構造の共同開発者となっています。

​ハドロン療法は、荷電粒子を利用して高度に限局した線量を腫瘍に照射する先駆的な放射線療法です。​従来の放射線療法と異なり、周辺組織への照射が少なく、副作用を制限し、転移の発生も防ぐことが可能です。しかしながら、ハドロンは荷電粒子で構成されているため、患者の体内の患部に確実に線量を到達させるために必要な磁場を、巨大な機械を用いて磁石を複雑に組み立てることで形成する必要があります。

GaToroid研究プロジェクトでは、ハドロン治療装置の縮小化のみならず、その構造の簡略化にも貢献することでしょう。共同研究に取り組むEPFLとCERNはどちらもスイス西部の​ヴォー州とジュネーブ州に位置し、4階建てのビルほどの大きさにまでなるハドロン療法装置を、より利用しやすい装置にするべく研究を進めています。

卓越した研究施設を擁するスイス西部

EPFLのBertrand Dutoit氏は、世界トップレベルの研究施設が点在するこの地域で研究を進めることの利点を強調しています。​「欧州原子核研究機構(CERN)がこれほど近くにあることは、我々EPFLにとって素晴らしいコラボレーションの機会です。Felcini氏は、最高峰の科学者や、彼が設計し計算したシステムを現実に開発できる卓越した技術チームとの協業が実現しています」と、語っています。

現在、同研究プロジェクトでは現行装置を1/3に縮小した最初の実証モデルの構築が進められており、今後10年以内に本格的に実用可能な機械を設計することを目指し、新たなステップを踏み出しています。

ファクトシート:スイスのイノベーション

スイスが豊かである理由のひとつに、高いイノベーション力があります。スイスに拠点を設けるグローバル企業から中小企業まで、あらゆる企業が研究開発への投資を惜しまず、製品・サービス・プロセスを改良する努力を常に行っています。

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