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ロボット技術発展を目指すジュラ州

スイス・ジュラ州は、以前から精密工業が盛んな地域でした。そして、現在では、Sonceboz社やHumard社といった企業が、ロボット製品の開発に注力しています。この産業変革が盛んなロボティクス分野の可能性に焦点を当てたイベントを、スイス・イノベーション・パーク・バーゼル・エリアが開催します。

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イメージ写真:Pixabay

ロボットは人々の生活に良い変化をもたらすことができます。これは、ジュラ州に本社を構えるSonceboz SAが、ヴォー州・ローザンヌのスイス連邦工科大学ローザンヌ(EPFL) の研究者たちと共同で開発したエクソスケルトン(外骨格)によって示されています。このエクソスケルトンにより、身体麻痺患者が、座る、立ち上がる、階段の昇降、傾斜を走るなどの動作を独立して行えるようになります。

「人体の筋肉の代わりとなるもの」と、Sonceboz SAで開発グループを統括するOlivier Pajot氏は、スイス・フランス語日刊紙Quotidien Jurassienに掲載されたジュラ州内のロボット技術に関する記事で説明しています。この装置を患者が使用するには、非常に大きな電力を小さな体積に集中させることが必要となります。外骨格の初代モデルは2016年にスイス連邦工科大学チューリヒ (ETH) で開催されたサイバスロンで発表され、最新モデルは今月中旬に開催される2020年度のサイバスロンで発表される予定です。

このような技術的課題の克服は、Sonceboz SAにとっては日常生活の一部です。同社は、ジュラ州・ボンクールの本社に加えて、社名の元となったベルン州・ソンスボーでも研究開発をしています。「顧客が解決困難な問題に直面して特定のソリューションを必要としている場合、それが我々の原動力となります」と、Pajot氏は述べ、「同時に、将来のトレンドを予測することもできます」と付け加えています。

同じくジュラ州・ドゥレモンに本社を構えるテクノロジー企業Humard Automation SAも、同様の顧客アプローチに取り組んでいます。同社は主に、完成品としての機械を提供するのではなく、顧客のニーズに合わせたソリューションを開発しています。ビジネス開発部門を率いるJimmy Ackermann氏は、業界の様相を一変させつつある「協調ロボット」も開発中であると記事中で説明しています。同社が開発したロボットは、すでに地域で多くの企業で取り扱われており、「ジュラ州は、スイス技術の最先端にあります。小さな州かもしれないが、多くのことが起こっています」と、強調しています。

ジュラ州経済担当大臣Jacques Gerber氏は、この価値観を共有するイベントに参加します。11月5日に、クルーのスイス・イノベーション・パーク・バーゼルからデジタル放送されるイベント「Le Tout Connecté」を紹介し、スイス経済の競争力におけるロボット産業の貢献について議論します。Olivier Pajot氏に加え、スイス研究開発センター(CSEM)のFrancesco Crivelli氏、No-Touch Robotics GmbHのMarcel Schuck氏、Tinamu Labs AGのDaniel Meier氏も講演予定です。11月5日現地時間16時から開催されるこのイベントへの参加は、バーゼルエリア・ビジネス&イノベーションのウェブサイトから登録可能です。

スイスのロボット技術(ファクトシート)

機械工学や精密機器製造分野おけるスイスの伝統的な強みは、ロボット技術やドローン技術といった、歴史浅い分野においても最先端な研究の基盤となっています。 

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