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チューリヒ大学スピンオフも増加傾向

チューリヒ大学は、過去10年間で75のスピンオフを創出しており、昨年1年間だけでも、7つのプロジェクトチームが独自に事業化することを決定しています。

ドローン
2020年にチューリヒ大学のスピンオフとして設立されたSUIDは、ドローンメーカーにカスタマイズしたソフトウェアを提供しています。©University of Zurich

チューリヒ大学 (UZH)発表のプレスリリースによると、同大学から派生するスピンオフの数は順調に増加しています。2010年以来、UZHの学生および卒業生による発明を商品化することに注力し、10年間で75のスタートアップ設立に至っています。1999年以降、UZHから独立したスタートアップ企業は143社にのぼり、その全てがUZHでの研究成果や技術を基盤として新製品を開発し、市場での成熟を達成しているか、同様の目標に向けた取り組みを進めています。UZH Innovation Hubでは、そのような起業家精神にあふれる先駆者による独自ビジネスの立ち上げを支援しています。

2020年は7つプロジェクトチームが独自に事業化する道を選択しています。主に医療技術分野、バイオテクノロジー分野、人工知能 (AI) 分野のスタートアップが多く、KOVE社は、チューリヒ大学の胎児回復および組織工学教授Martin Ehrbar氏とチューリヒ大学病院産婦人科教授Nicole Ochsenbein氏による研究に基づいて、低侵襲胎児手術における早産のリスクを最小限に抑える技術に焦点を当てています。

MUVON Therapeutics社は、骨格筋組織再生を促す自己細胞療法の開発をしています。この研究は12年前にチューリヒ大学の組織工学および幹細胞治療研究室で始まり、最初の研究は女性の腹圧性尿失禁に対する効果的な治療法の開発でした。

Tosoo社は、個人の睡眠の質の向上を目指した技術を提供しており、その起源はチューリヒ大学医学部が行った学際的な研究プロジェクトに遡ります。

バイオテクノロジースタートアップのInvasight社は、標的化した方法で腫瘍細胞の拡散を阻止する低分子化合物を開発しています。同社は現在、初期の臨床段階に注力しており、投資家の参加を求めています。

Celerato社は、SynReportというソフトウェアを活用した病理学報告書の作成過程の簡素化を実現し、既にスイスで4つの病院がSynReportを利用しています。

SUIND社は、ドローンメーカー向けにカスタマイズしたソフトウェアソリューションを提供しています。これはチューリヒ大学のRobotics and Perception Groupが開発したプログラムです。

Blockchain Presence社は今年の初めに設立されたばかりです。情報契約経済学教授のChristian Ewerhart氏の指導のもと、学生グループは、強固な信頼性の確保できているとは限らない契約パートナーに向けたブロックチェーンソリューションの提供に成功しました。

革新的な技術の製品化と市場での成熟化を目指し、現在も多くの学生が研究に取り組んでいます。

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