スイス証券取引所の運営を担うSIXは、スイス金融市場監督機構(FINMA)からの承認を受け、SIX Digital Exchange (SDX) の導入に向け準備を進めています。FINMA発表のプレスリリースによると、SIXによる分散型台帳技術 (DLT) を基盤とする金融取引関連インフラ2件の導入について承認し、SIX Digital Exchange AGに中央証券預託機関として、関連会社SDX Trading AGに株式取引所としての運営許可を付与しました。
今回の許可は、スイスの金融市場において、トークンによるデジタル化された証券の取引と、それに統合される決済インフラが認可された最初の事例となります。SIX発行のプレスリリースでは、これらの認可により、SDXは「スイス最高水準の監視と規制の提供が可能になる」 とコメントしています。
SIXは、2018年からデジタル取引所の構想を掲げ、プレスリリースでも「FINMAからの認可を取得したことは一連のプロセスにおけるマイルストーンとなる」としています。本年8月の発表では、10月以降はSDXをDavid Newns氏が率いるとし、今後も数年間をかけてさらに開発が進められていく見込みです。SIXは既に大手グローバル企業やスイス国内金融系企業などと協業を開始し、「デジタル資産のためのグローバルネットワーク」 の構築に向けて活動を始めます。
また、FINMAによる認可に関するプレスリリースでは、SIXの執行役員でグローバル取引部門を率いるThomas Zeeb氏が、「...市場での最終形という意味ではまだ発展途上の段階ではありますが、今回の認可によって、機関投資家は伝統的な従来型取引所とCSDインフラのすべての重要要件を満たす安全かつ堅牢なプラットフォームの活用が可能になる重要なマイルストーンと成り得る」と見解が示し、また、「承認に至るまでの過程は、SDX、SIX、そして金融業界全体にとって非常に貴重な経験であったことが既に証明されている」と付け加えて強調しています。