スイス・ティチーノ州キアッソに拠点を構えるスタートアップGr3n社がシリーズBの資金調達ラウンドで630万ユーロの投資約定を受けました。同社のプレスリリースによると、同社は本年前半にすでに750万ユーロの資本を調達しており、今回の資金調達ラウンドでは、新たに米国企業のシェブロン社とスタンデックス社が主な出資者となりました。
Gr3n社は、調達された資金によって、同社が掲げる世界大手再生PETと再生ポリエステルのサプライヤーという目標に、「限りなく実現に近づいた」 とコメントしています。同社が提供するDEMETO (マイクロ波による解重合) 技術は、あらゆる種類のPETやポリエステルプラスチックの分解が可能です。DEMETO技術でつくられたビルビンディングブロックやモノマーは、顧客の要望に基づいて無限に再重合することができ、再生された素材は元の素材と同じ機能を有します。この技術の応用で、将来的にはボトルから再生繊維、繊維から再生繊維に、そして繊維から再生ボトルへのリサイクルでさえ容易に実現できることになります。
今回の出資を決定したStandex社プレジデント兼CEOのDavid Dunbar氏は、Gr3n社との協業で同社顧客にもこの「画期的なソリューション」を提供できることを期待しています。Standex社とGr3n社は、この1年間で既に再生可能エネルギー分野における顧客向けのソリューションを共同で開発しています。
Gr3n社の創設者でCEOを務めるMaurizio Crippo氏によると、「PETのリサイクルプロセスを効率的に市場にもたらす唯一の方法は科学的アプローチであり、それによって循環経済を実現できる」 ことを同社が証明する日を心待ちにしています。