今年も世界知的所有権機関(WIPO)は、Portulans Instituteや複数のパートナー企業と共同で、第14版グローバル・イノベーション・インデックスを発表しました。この調査は世界130カ国以上を対象に80以上の項目に関連するデータを精査して評価されています。
スイスは同調査において、過去10年間にわたり世界首位の評価を得ており、本年も再びその栄光は守られました。WIPOのプレスリリースによると、スウェーデン、米国、英国がトップ5に入るまでは昨年と同様でしたが、本年は、前回は世界10位だった韓国が第5位に浮上しています。フランス (11位) 、オーストリア (18位) は順位を1ポイント上げたものの、ドイツは1ポイント下げて10位という結果でした。
分野における変動
WIPOは同時に、新型コロナウイルス感染拡大の危機にもかかわらず、世界的なイノベーションへの投資は非常に回復力があることが証明されたとしながらも、この1年間は、業界による差が観察されていると、プレスリリースで述べています。IT・エレクトロニクス分野や製薬・バイオテクノロジー分野の企業が投資活動を拡大している一方で、観光などの分野の企業が危機の影響を大きく受けていることは明らかです。
スイスは膨大な数の特許を保有
スイスは総合順位だけでなく、欧州圏内や高所得国内での評価でも1位を獲得しています。総合ランキングにおいては11年連続で首位の座についており、これは主にスイスが取得する膨大な特許数に起因しています。「知識・技術アウトプット」の項目では世界1位、「クリエイティブ・アウトプット」と「インフラ」の両項目では2位の評価を得ています。しかし、「研究機関」の項目では13位と順位を落としています。最新版の総評では、特に「政治的枠組み」、「ITアプリケーション活用」(1位)、「知識の創造」(1位)などがにスイスの強みとして評価されています。