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スイス・ヴァレー産 再生プラスチックハウス

スイス・ヴァレー州に拠点を構えるスタートアップUHCSは、廃棄物を原料として再生プラスチックから作られたモジュラーハウスを開発しています。初代ファンクショナルハウスのプロトタイプ建設が完了し、今後はパイロットプラントの建設を計画しています。

スイスで開発され既に特許取得済みのモジュール式建設システムを用いて、再生PETで建設されたUHCS。
スイスで開発され既に特許取得済みのモジュール式建設システムを用いて、再生PETで建設されたUHCS。

ヴァレー州・シオンに立地するEnergypolis Campus内に拠点を置くスタートアップ Ustinov Hoffmann Construction System(UHCS)は、次世代住宅の建設に取り組んできました。「UHCSの存在価値は主に2点挙げられます。安全で手頃な価格の住宅を提供することと、プラスチック廃棄物の危機の解決策です」と、UHCS共同創設者のAlexandre Micheloud氏はコメントしています。

UHCSは高密度ポリエチレンプラスチックから作られる複合原料を開発に取り組んでおり、同社が提供する複合プラスチックは使用済みの瓶やフラスコから作られています。リサイクルプラスチックの破片を購入し、洗浄後にろ過した後に複数の添加物と混合させることでブロック型レンガを成形します。

「最終的に成形された素材は非常に耐火性が高く、SIA規格に準拠した構造能力を備えています。ブロックは最大で50㎡の住宅や建造物の建設に使用可能で、この革新的なアイデアにより、プラスチック廃棄物軽減に貢献しながら、手頃な価格で住宅の提供が可能になります。プラスチック廃棄問題が深刻な国々で、この製品のライセンスを取得することを検討しています。そうすることで、汚染に可能な限り近い場所での雇用創出も実現できるはずです」 と、Micheloud氏は説明します。

資金調達ラウンドを経て製造工場の建設へ

初代プラスチックハウスのプロトタイプは既に組み立てが完了しています。スケルトン構造を採用し、顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。最終的には、個人の家だけでなく、必要に応じて学校やその他の管理用建物も建設することを目標にしています。

現在、技術的かつ戦略的な統合段階にある同社は、「長期的には、最初の資金調達を行い、パイロットプラントの設置を目指しています。これにより、将来的には新興国での設置を目指しますが、まずは欧州内で試験的に建設で実績を作りたいと考えています」と、今後の展望を述べています。

 

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