fDi Intelligenceが、欧州内の都市における将来性やテクノロジー度合いを調査しました。スイスの都市は複数の部門のランキングで上位の座を獲得しています。
チューリヒは中規模都市部門で首位
同調査のランキングでは、チューリヒは将来性のある欧州中規模都市として首位を獲得しています。特に、高い経済的潜在力、人的資本、良好な生活の質などが高評価につながっています。また、国際的なアクセス性とビジネスの利便性を評価する項目でも好成績を収めています。さらに、チューリヒのイノベーション能力は特許出願数にも反映されており、すでにグーグル社、マイクロソフト社、アマゾン社など大手テクノロジー企業の重要拠点が存在しています。
バーゼルも小都市部門で首位
バーゼルも経済的潜在性と人的資本が大きな要因として、「将来性のある小規模都市部門」で首位に選ばれています。また、ロシュ社、ノバルティス社、Roivant Sciences社など、大手製薬会社の本拠地であることや、スイス、ドイツ、フランスの国境を共有することで戦略的立地と成り得ることが強調されています。スイスの他の都市で小規模都市部門のトップ10に入ったのはスイス西部のジュネーブのみで、第4位の評価でした。
将来性あるマイクロ都市としての栄冠はツークへ
欧州内のマイクロ都市部門では、スイスのツークが首位を獲得しています。特に高い経済的潜在性を誇り、同時に、最もビジネス友好都市でもあることが評価されています。同報告書では、2016年から2021年の5年間にツークにおける金融、ライフサイエンス、エネルギー分野の海外直接投資数は33件と記述され、その詳細が確認できます。また、ティチーノ州最大の都市ルガーノもマイクロ都市部門の人的資本の項目で第3位の評価を得ています。
欧州で存在感を増すスイスの都市
スイスはその他の都市も多くがランキングに入り、好調な結果となりました。例えば、チューリヒ州は将来的な欧州中規模地域としては第4位に入っています。小規模地域としては、Zug州は同様に第4位に入り、ジュネーブ州も第10位の評価を受けています。海外直接投資戦略においては、チューリヒ経済圏が将来的な欧州中規模地域で第5位、バーゼル地域が同小規模地域で第2位となっています。
テクノロジーや人財の緊密性は「小規模都市」であることがメリットに成り得ます。地理的に「大きな市場」へのアクセスは既に抜群なスイス。スイス国内の小・中規模都市が持つ特性を活かした活動を戦略的に実施することで、貴社の欧州事業の効率性最適化が図れるかもしれません。