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投資家とスタートアップのマッチングプラットフォーム 

数百ともいわれる投資家が活動するスイスでは、スタートアップの環境も複雑化を増しています。両者をより効率的に結びつけるための新しいプラットフォーム「SuisseFund」が立ち上がりました。

SuisseFundは、スタートアップと投資家を結びつけるマッチングプラットフォームを開発。既存のビジネスエンジェルネットワークとベンチャーキャピタルプラットフォームを補完する役割を提供します。(写真はイメージ)
SuisseFundは、スタートアップと投資家を結びつけるマッチングプラットフォームを開発。既存のビジネスエンジェルネットワークとベンチャーキャピタルプラットフォームを補完する役割を提供します。(写真はイメージ)

自らが起業家でもあるThierry Knoissler氏、Pawel Kowalski氏、Benjamin Berger氏は皆、スタートアップ設立を経験し、若い企業にとって自社のビジネスに適した出資者に出会うことの難しさを存分に理解しています。一方で、投資家にとっても、特定の市場における新規参入企業や特定の事業分野で活動する企業を探す場合に、投資に値するスタートアップを見つけだすことは容易ではありません。

2022年3月、ベルン州で開発されたマッチングプラットフォーム「SuisseFund」は、両者が抱える課題を解決するため、スタートアップと投資家を結びつける専用のプラットフォームを提供を開始しました。既存のビジネスエンジェルネットワークやベンチャーキャピタルプラットフォームを補完する役割を担います。

SuisseFundに登録する全てのスタートアップは、自社の持つ技術やソリューション、財務状況、価値評価やセールスポイントの詳細を提供し、SuisseFundの審査を経てプラットフォーム上に情報掲載されます。また、投資家も同様に登録が済んだ段階でスタートアップの情報にアクセスし、適切な企業の検索が可能です。投資家が交渉を希望した際に、SuisseFundからスタートアップに通知されるシステムです。現状ではSuisseFundは投資家とスタートアップを結びつける段階のみに焦点を当てているため、その後の交渉や手続きは当事者同士の責任のもとで進められます。

高まる需要を見据えて

SuisseFundは、現在の試行段階の一環として、スタートアップ企業と投資家の出会いがマッチングプラットフォームを通じて活発化されるものか、そして、市場にその需要があるかなどを調査しています。プラットフォームの一般公開を開始後、既に60の投資家と40のスタートアップ企業の登録が見られ、概ね好調な兆しが出ています。

現段階ではプラットフォームは投資家とスタートアップのマッチングに焦点を当てているが、登録数が増え需要が高まれば、機能を拡大して更なるソリューションの提供を追加する計画です。「長期的な目標として、スタートアップと投資家が関係する手続きなど、全ての必要なインフラを提供することを掲げています」 と、共同創設者のThierry Kneissler氏は説明しています。

スイスの新技術や新ソリューションを探索する一つの手段として、ぜひSuisseFundプラットフォームをご活用ください。

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