「European Deep Tech Report 2023」によると、2022年の欧州ディープテック市場に対するベンチャーキャピタルによる投資は大きな成長を遂げています。特に、第3・第4四半期においては、エネルギー分野に次いで2番目の市場となり、欧州内のディープテック企業による資金調達額は総額177億米ドルに達しています。前年比22%減とはいえ、2020年比では60%増加しており、投資の大部分はAI、未来志向型コンピューティング、新規エネルギー、スペーステックなど、ディープテックの4つの新興サブセクターに向けられています。
英国は依然として欧州のディープテックを牽引する存在であり、フランス、ドイツ、スウェーデンがそれに続いています。これらの国々におけるディープテック投資額は287億8000万ドル85億米ドルから287億8000万米ドルにおよびます。スイスは67億米ドルで5位となり、「国規模を超えるインパクト」を発揮しています。しかし、ベンチャーキャピタル投資のうちディープテックを占める割合は35%のスイスが首位で、32%のフィンランド、27%のノルウェーが後に続いています。
大学が保有する有効なディープテック特許数においては、英国が最も多く、次いでドイツ、フランスが並び、スイスは4位の評価でした。大学別の評価では8%のルーヴェン・カトリック大学が首位、7%のスイス連邦工科大学ローザンヌが2位、3位にはスイス連邦工科大学チューリヒが続き、以下、オックスフォード大学(英国)、ドレスデン工科大学(英国)、ケンブリッジ大学(英国)がそれぞれ5%となっています。
大学スピンオフの価値創出については、スイスは英国に次いで2位の座に入り、同基準を大学別でみるとスイス連邦工科大学チューリヒ(ETH)が首位となっています。
European Deep Tech Report 2023は、dealroom.co(オランダ・アムステルダムに本社を構える世界のスタートアップエコシステムのデータを提供)、Walden Catalyst Ventures(米国・サンフランシスコとドイツ・ベルリンに拠点を持つベンチャーキャピタル)、Lakestar(スイスのベンチャーキャピタル)の3社よって作成された年次レポートの最新版です。