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微細藻類のスタートアップを設立

ルツェルン応用科学芸術大学では、微細藻類の大量培養用の高効率バイオリアクターの開発に取り組んでいます。微生物を活用した大量のCO2の永久固定化技術には近年期待が高まっています。このプロジェクトの一環としてゲバルト・リュフ財団の支援を受け、スタートアップが設立されます。

ルツェルン応用科学芸術大学熱エネルギーシステム・プロセス工学コンピテンスセンター長ミルコ・クライングリースと修士レト・タンブリーニは、スイスエネルギーフォーラムでフォトバイオリアクターを発表しました。
Mirko Kleingries, Head of the Competence Center Thermal Energy Systems and Process Engineering at the Lucerne University of Applied Sciences and Arts, and Master's graduate Reto Tamburini present a photobioreactor at the Swiss Energy Forum. Image credit: HSLU

ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)が発表したプレスリリース (ドイツ語)によると、微細藻類は樹木よりも大気中のCO2を効率的に除去します。これらの微生物の質量の70%は炭素で構成されており、これらの炭素原子の1つ1つは大気中のCO2分子から得られるものです。HSLUの研究者は、エネルギー効率の高い方法で微細藻類を急速に培養できるバイオリアクターの開発に取り組んでいます。最終的にこの技術の実用化、商用化を目標とし、そのため、HSLUのスピンオフ企業であるArrhenius AGを設立中です。

微細藻類の良いところは手がかからないことです。プロジェクトリーダーのミルコ・クライングリーズ博士曰く、「水、光、CO2、栄養分、特に結合窒素」さえあれば育つとのこと。HSLUの熱エネルギーシステム・プロセス工学コンピテンスセンターの責任者である同博士と彼のチームは、エネルギー消費を最小限に抑えるため、自然光を利用して藻類を培養しています。CO2を十分に吸着固定させた後、乾燥させ、酸素に触れないように地中深く埋めればよいのです。

ゲべルト・リュフ財団は、First Venturesプログラムでこのプロジェクトを支援しており、Arrhenius AGの創業メンバーは、コーチングプログラムの恩恵に加え、プロジェクトへの資金提供を受けます。「ネガティブ・エミッション技術だけで私たちの環境問題を解決することはできません。何よりもまず、私たちはエネルギーの節約に努め、CO2排出量を劇的に削減しなければなりません 」と、クライングリーズ博士は述べ、その上で次のように付け加えています: 「しかし、微細藻類は、気候変動に関する目標の達成に重要な貢献をすることができるのです」。

 

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