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チューリヒがロボットのメッカに

現在チューリヒでは、自動操縦型の自動車や航空機の開発に取り組む新進企業の進出が進んでいます。 

ロボット工学関連企業の活動拠点となるチューリヒ。
ロボット工学関連企業の活動拠点となるチューリヒ。

シリコンバレーの企業が研究機能をチューリヒに移転させる例も見られるようになりました。ある新聞記事によると、その背景ではETHが大きな役割を担っているようです。 「スイス連邦工科大学チューリヒ校( ETH )の周辺にロボット工学関連の企業が集まっている」とスイス紙 『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』は報じています。  

ロボット工学とコンピュータビジョンの専門家の多くが、ETHで学位を取得しています。 ETH自律システム研究所( ASL )のローランド・ジークヴァート所長は「ETHの修士課程および博士課程では、カリフォルニア湾岸地域の有名大学に引けを取らない数の学生が学んでいます」と記事中で述べています。 

ASLでは、方向感覚を持ったロボットやドローンの開発が進められています。 ETHでコンピュータービジョンを研究するマーク・ポレフィ教授は「当大学では産業界が注目する前から基礎研究に取り組んでいたため、ブームに向けた準備が整っていました」と語ります。

人材の宝庫であるチューリヒには、大企業も関心を寄せています。 すでに多くの大企業が、ETHとの提携を目指して研究機能をチューリヒに移転しています。 米メディアグループ Disney はその一例ですさらに、『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』によると、 AmazonFacebook 、 Samsung 、 Bosch 、 Oracle といった企業もチューリヒ近郊に研究機能を移しています。 

Google もまた、チューリヒでGPS無しで機器の空間認識を可能にするテクノロジー・プラットフォーム「Tango」の開発を行っています。ポレフィ教授は「多くの企業が研究立地の多角化を図り、カリフォルニア州の湾岸地域を去っています。  

チューリヒに対する関心は今後も続くものと確信しています」とも語っています。ETHと大企業の存在は、多くのスタートアップの誕生にもつながっています。  まだ創業から間もない Daedalean はその一例です。DaedaleanはGoogleの元従業員によって立ち上げられ、自動操縦型の旅客機の開発に取り組んでいます。 記事によると、従業員の大部分はETH卒業生やGoogleの元従業員のようです。 

 

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