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バーゼルワールド2015開幕 注目はスマートウォッチ

時計業界とっては最も重要な展示会であるバーゼルワールド(Baselworld)2015が今年もスイス・バーゼルで盛大な式典とともに幕を開けました。 今年の展示会は、スイスフラン高による海外市場におけるスイス時計産業への影響と、アップルウォッチによるデジタル製品の競合出現で話題が持ちきりとな り、スイスの大手時計製造メーカーは既に米国・シリコンバレーとの協同関係を築くことで今後の変化への対応を始めています。

バーゼルワールド2015開幕 注目はスマートウォッチ

活気あるスイス時計製造産業
 バーゼルワールドには毎年15万人の専門家が訪れ、1,500におよぶブランドから新しいトレンドを見極め、新作の購入を決定し、その活気溢れる時計産業を肌で感じています。世界的な時計製造・宝飾品製造産業のあらゆる部門からの担当者が一堂に会する重要なイベントとして、ヨハン・シュナイダー=アマン スイス連邦副大統領兼スイス連邦経済・教育・研究相の立会いのもと、バーゼルワールド2015は3月19日に開幕しました。
 MCHグループのRené Kamm氏は、例年のバーゼルワールドは現在よりも好条件のなか楽観的な雰囲気で開催されていたとし、「しかし、幸運なことに、時計・宝飾品業界に革新的アイデアが欠けていると感じたことはない」とコメントしています。バーゼル・シュタット州の州議会議員Christoph Brutschin氏は、この展示会と時計を比較し、「時計の内部機構の製造に似ています。たくさんの想いと情熱が高度精密機械に込められ、最高傑作の時計が製造される。その傑作がバーゼルワールドです。」と展示会への想いを語ります。
 ヨハン・シュナイダー=アマン スイス連邦副大統領は、開会式典で時計製造を「機械時計の発明で、時間は、(人の手による施しで)言葉どおりの芸術へと変化していきました。その芸術はこれまでにない精密さ、巧みな技術、そして美しいフォルムに後押しされて進化してきた作品なのです。」と、芸術にたとえて称賛しました。また、500以上の企業が5万人以上の雇用を創出し強固に発展してきた経緯を紹介し、スイスにとって重要な産業であることを説明しました。

スイス製スマートウォッチ
 今年の展示会で最も注目を集めているのが、アップル社が同社の新製品として発表した「スマートウォッチ」です。業界関係者間ではデジタル製品のスマートウォッチの需要が高まることでスイス時計のみならず時計産業全体に影響をおよぼすのではないかと危惧する声も聞こえています。しかしながら、あるスイス大手時計製造メーカーは既にアップル社からの挑戦に対応する術を備え始めていました。
 TAG Heuerはグーグル社およびインテル社と提携し、インテル社の技術とアンドロイドを搭載したスイス製スマートウォッチの製作を発表しました。この提携はスイス時計製造メーカーとシリコンバレーの協同事業として、各企業の専門分野を高級時計に集結させるという、ソフトウェアとハードウェアの融合という新しい時代の幕開けともいえます。3社は、高級でありながら使用者の日常生活に密接した製品の開発を目指しています。
「スイス時計製造メーカーとシリコンバレーの協同事業は、時計製造で培った信用と技術革新の一体化を実現させます。今回の我々の協同は互いに大いなるシナジーと利益をもたらす提携です。」とLVMHグループウォッチ事業部PresidentのJean-Claude Biver氏はコメントし、グーグル社アンドロイドウェア エンジニアリング・ディレクターのDavid Singleton氏は「美しさとテクノロジーを融合させることにより、スイス製時計は何世代にも渡り芸術家とエンジニアを触発してきました。そして、私たちグーグル社もそのひとつです。」と加えました。インテル社Corporate Vice President and General ManagerのMichael Bell氏も「インテル社は、今回の総合的な体勢は装着品の技術革新に一石を投じるものになると考えています。」と自信に満ちたコメントを残しました。

(出典:在日スイス商工会議所)


 

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