2020年10月28日、「スイス事業投資セミナー」をオンラインで開催いたしました。本年初頭から新型コロナウィルス感染拡大による想定外のビジネス様式変化を受け、スイス・ビジネス・ハブもオンラインイベントの開催に注力してきました。オンライン化によってスイスから参加する講演者の幅も広がり、特に技術面の情報提供の充実化を実現することができました。年内最後となる本セミナーでは、年間を通じてご提供した技術面の情報を基盤とするビジネス戦略の提案を行いました。
冒頭に本セミナー主催の在日スイス大使館 スイス・ビジネス・ハブ 投資促進部長 松田俊宏より、スイスでの一般的なイノベーション環境と事業設立のメリットをご紹介し、その後、KPMG税理士法人 インターナショナルコーポレートタックス部門 パートナー 三浦晃裕氏による税制改正とイノベーション税制、スイスにおける税務面での優位性をプロフェッショナルな視点で示していただきました。
そして、講演の場はスイスへと移り、スイス国内で5ヵ所のテクノロジーパークを運営するスイス・イノベーション CEO レイモンド・クロン氏より、スイスの活発なイノベーション活動について説明がありました。最後に、日本企業によるスイス進出事例として、Namiki Precision of Europe SA プレジデント兼イノベーションVPのジャンパウロ・トゥーリ氏が現地での設立や活動の様子をお話しいただきました。
70名以上の参加者のなか、講演中から様々な質問が寄せられ、全ての講演が終了後にライブ回答の時間を設けました。スイスの税制や拠点設立関連事項、スイス・イノベーションへの視察の方法やデジタルヘルス分野へのコンタクトなど、多岐にわたる質問に登壇者も熱意を持って時間の許す限り回答を行いました。
技術分野での連携やイノベーション活動における協業などから、研究開発拠点や事業拠点の設立に発展した事例も少なくありません。また、COVIDによる移動や物流制限が増えたなか、サプライチェーンの簡略化も重要視され、市場内での製造を具体化する動きも出てきています。ビジネス様式の変革期だからこそ、市場における柔軟性や人材の豊富さが適応能力の差を生み出します。
ビジネスにおけるレジリエンスの高いスイスは、日本企業の欧州展開活動を強力にバックアップいたします。ぜひ、ビジネス拠点としてスイスの利点を活用し、様々な変化に対して柔軟な対応を可能とする拠点をご検討ください。