クラウドサービス需要の急速な拡大を受けて、Microsoft Corporation(本社:米国・ワシントン州)はスイスのチューリヒとジュネーブに、データセンター2拠点の開業を急いでいます。マイクロソフト・スイス支社を統括するMarianne Janik氏がNZZ am Sonntag(スイス日刊紙日曜版)のインタビューに応じ、データセンターの新設は、スイス国内でのデータ管理を望む顧客の要望に応えるためと説明しています。同社は既にスイス国内で4,600以上の企業と提携しており、「データ管理の問題は、金融機関のみならず、スイス国内の重要なデータを取り扱う公的機関や医療機関にとっても重要な課題となります」と強調しています。さらに、「安全で安定した国でのデータ保存の需要が再急増している」とし、スイスは重要なデータストレージ拠点として発展しつつあると述べています。
記事によると、同社がスイスのデータセンター新設発表後、最初のデータ保存依頼はスイス国外の顧客からであったとし、当初の予定ではスイス国内の顧客向けのサービスであったが、将来的には国外の企業へのサービス提供を検討しています。Janik氏は、「データ保存場所として、スイスの大いに魅力的です」と、加えています。
ここ数年で、マイクロソフト社はスイスでの存在感を大幅に拡大しています。Janik氏によると、現在600人の従業員を抱えるマイクロソフト・スイス支社も、設立当初はスイス国内市場での販売活動を担う予定でした。その後、研究開発活動も加えられ、最近では、マシンビジョン分野へも参入しています。