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伊藤忠商事がスイスの農業系スタートアップに出資

コーヒーサプライチェーンの透明性向上を目指すジュネーブのスタートアップFarmer Connect社が、シリーズAの資金調達ラウンドで900万ドルの調達に成功しました。これにより、Farmer Connect社は企業の成長とともに、同社が掲げる「テクノロジーを通じた人間的な消費」というビジョンの実現を目指します。

Farmer Connect
Farmer Connect社はアプリ「Thank My Farmer」を開発し、消費者が製品のQRコードをスキャンすることにより、製造過程の情報を提供している。

Farmer Connect社はスイス・ジュネーブに拠点を構えるスタートアップで、データをブロックチェーン技術を用いて消費者とコーヒー生産者を結びつけることで、コーヒーサプライチェーンにおける透明性、効率性、トレーサビリティを高めるソリューション構築を目指しています。

同社が提供するFarmer Connect Platformは、ビジネスデータなどを安全な保管と共有を可能にするもので、自己主権型アイデンティティ(SSI) ソリューションである「Farmer ID」を使用することで、生産者はデジタルIDのほか、取引履歴や領収書などを安全に保存し管理することができるシステムです。

ソリューションの補完システム「Community Builder」を使用し、生産者を登録して管理することで、Farmer Connect Platformと自動的に同期するトランザクションが可能となります。

テクノロジーによる人間的消費の活性化

Farmer Connect社の顧客基盤構築と産業間パートナーシップ成長の支援に、伊藤忠商事などが筆頭となり、シリーズA資金調達ラウンドでは900万ドルが調達されました。このラウンドには、米民間投資家やFarmer Connect社の設立パートナーで、スイスに拠点を設けるグリーンコーヒー商社Sucafina社も参加しました。

Farmer Connect社発表のプレスリリースによると、同社は今回の調達資金を、生産者から消費者まですべての人々に利益をもたらす、サステナブルで包括的かつ効率的な農業サプライチェーン需要を活性化への取り組み、ESGとSDGのトラッキングに特化した新製品と新サービスの開発の継続、そして、コーヒー、ココア、紅茶、香辛料、香料などの小規模農家を支援する専門家の採用計画などに用いる予定です。同社はジュネーブのみならず、ニューヨーク、シンガポール、ブラジルなど、世界中に拠点を構える新しいチームの創設にも意欲的です。

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