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ハンルイ医薬がスイスに研究開発拠点設立

中国の医薬品企業ハンルイ医薬社が、スイス・バーゼルに子会社設立を発表しました。新設の欧州臨床研究開発拠点は、がん治療を含む革新的な医薬品の開発に取り組みます。

中国江蘇省のハンルイ医薬本社
中国江蘇省のハンルイ医薬本社 ©Hengrui

世界有数のライフサイエンス・エコシステムを擁する都市として知られるバーゼルは、大手グローバル企業による新たな拠点設立により、さらなる成長を見込んでいます。

中国・江蘇省に本社を構えるハンルイ医薬社(Jiangsu Hengrui Medicine Co., Ltd.)は、スイスに子会社Hengrui Europe Therapeutics AGの設立を発表しました。1970年設立の中国本社は時価総額約700億ドルの規模で、世界のライフサイエンス企業トップ30に入っています。世界各国で25,000人以上の従業員を抱え、120以上の臨床試験を実施しているグローバル企業です。ハンルイ医薬社が手掛ける様々な分野の事業のなか、主な焦点はがん治療薬開発であり、新設のバーゼル拠点は、欧州市場向け医薬品の臨床研究開発に専念します。投資・イノベーション促進機関のバーゼルエリア・ビジネス&イノベーションが、ハンルイ医薬社のバーゼル拠点設立を支援しました。

「我々がバーゼルを拠点として選択した理由は、ここにバイオ医薬研究に適したエコシステムが既に存在し、我々の目標達成の一助になると確信したからです」と、ハンルイ医薬社でグローバルR&Dを統括するLianshan Zhang氏は説明します。同社は、このダイナミックなエコシステムを活用する企業運営に期待を寄せており、同時に、高度なスキルと経験を持つ人材確保に自信を得ています。「バーゼルエリア・ビジネス&イノベーションが提供する包括的なサポートとアドバイスにより、当社のバーゼル拠点設立の決断は円滑に進みました」と、Zhang氏は加えています。

ハンルイ医薬は、がん治療薬開発や腫瘍研究に加え、造影剤や手術薬の製造も専門としています。2018年5月、Forbes誌発表の 「世界で最も革新的な企業100社」でランキングに入った中国企業7社のうちの1社としても選ばれています。ハンルイ医薬は、世界に11研究開発拠点と8製造施設を展開し、がん治療薬だけでなく、糖尿病、疼痛管理、自己免疫疾患の処方薬や医療技術製品の製造も手掛けています。

スイスのライフサイエンスエコシステム

伝統的に活発なライフサイエンス分野や情報工学分野、バリューチェーンを形成する高密度なエコシステムにより、スイスにはライフサイエンス分野のデジタル化研究が盛んに行われています。

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