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ルガーノのスーパーコンピューター

欧州最速のコンピューターはティチーノ州・ルガーノにあります。 このPiz Daintメインフレームは、中国が保持する2台のスーパーコンピューターに次いで、世界第3位の座にあります。 

スーパーコンピューター
欧州最速のコンピューターはティチーノ州に所在しています。

2013年11月以来、スイス国立スーパーコンピューティング・センター(CSCS)が所有する超高性能コンピューター「Piz Daint」は、欧州で最もパワフルなコンピューターとしての地位を確立しており、2016年末までに実施されたハードウェアの大規模アップグレードにより、性能をそれまでの3倍以上に向上させています。 現在、Piz Daintはアジアを除く世界最速のコンピューターで、理論上のピークパフォーマンスは25.3ペタフロップスに及びます。 革新的なコンピュータ・アーキテクチャにより、Piz Daintは世界で最も電力効率に優れたメインフレームの一つにも数えられています。

スイスのスーパーコンピューターは長らく欧州最速を誇っていますが、今回さらに、米国の大型メインフレームシステム3台を追い抜いたことになります。 世界をリードしているのは中国の2台のスーパーコンピューター、33.9ペタフロップスの性能を持つ「天河二号(Tianhe-2)」と93ペタフロップスという圧倒的な性能を誇る「神威・太湖之光(Sunway TaihuLight)」です。 これだけの大差のため、ヨーロッパのスーパーコンピューターがこの差を縮めるのはかなり先になることになると考えられています。

スーパーコンピューターはビジネス、科学、研究などにおいて重要性が急速に高まっており、国家間競争も激化しています。 スーパーコンピューターは、トラフィックフローや分子運動、気象現象などの複雑なシミュレーションを介して天体物理学と医療に利用されています。 また、研究開発分野においても欠かせない要素となっています。 シミュレーション、データ分析、ビジュアライゼーションはほとんどの分野で大きく貢献しているだけでなく、理論や実験においても大いに役立てられています。 Piz Daintのようなパワフルなシステムは、気候や素材の研究およびライフサイエンスなどの高度な解析とシミュレーションが必要な分野にとって不可欠な技術です。

また、Piz Daintは国際的な研究協力においても重要な役割を担っています。 Piz Daintの所有により、CSCSは2017年の春より、Partnership for Advanced Computing in Europe(PRACE)の最も重要なコンピューティングパワーの一つとして名を連ねています。また、CSCSがPRACEに加わったことにより、ヨーロッパの他のメインフレームにアクセスできるようになったため、スイスの研究者にとっても大きな利益がもたらされています。

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