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環境に優しいブルー水素の立証へ

エネルギー移行への貢献可能性を秘めるのはグリーン水素だけではありません。ブルー水素もそのひとつです。しかしながら、生産時とサプライチェーンにおけるメタン排出を可能な限り避けることが重要です。スイスのポール・シェラー研究所が主導した研究による新しい見解をご紹介します。

ポール・シェラー研究所のChristian Bauer氏。さまざまなエネルギー源の持続可能な供給とその効率性を研究している。©Paul Scherrer Institute/Mahir Dzambegovic
ポール・シェラー研究所のChristian Bauer氏。さまざまなエネルギー源の持続可能な供給とその効率性を研究している。©Paul Scherrer Institute/Mahir Dzambegovic

ブルー水素は、その製造過程が、環境に有害なエネルギーか、または、環境に優しいエネルギーとみなすことができるかを決定づけるものとなります。ある条件下のブルー水素はエネルギー移行に貢献可能であることが、ポール・シェラー研究所 (PSI、スイス・アールガウ州) Laboratory for Energy Systems Analysis (LEA) のChristian Bauer氏と、ヘリオット・ワット大学(スコットランド・エディンバラ)Research Centre for Carbon Solutions (RCCS)のMijndert van der Spek教授によって結成された研究グループが示しています。

グリーン水素は再生可能エネルギーを利用して水から生成され、ブルー水素は天然ガスから生成されます。生産工程で発生する二酸化炭素を回収して地下に貯留するため、2021年8月に米国で発表された研究では、ブルー水素は化石天然ガスよりも20%程環境負荷が重いという結論に達していました。研究者は、天然ガスの主成分であるメタンが、生産時やサプライチェーン全体において漏洩し、空気中に拡散する事実に基づいてこの見解を述べています。メタンガスは二酸化炭素の30倍の温室効果を持つからです。

対照的に、スイスのPSIが発表したプレスリリースによると、同研究所による最新の研究結果では異なった見解を示しています。「生成技術や採取国によって、メタンの排出量は数十パーセントから数パーセントの間で変動する」と、Christian Bauer氏は説明しています。さらに、二酸化炭素を地中に捕捉する際にも、ほぼすべての二酸化炭素を捕捉貯留可能な技術もあれば、処理能力が全体の50%程度に留まる技術も存在するとしています。

従って、環境に優しい方法でブルー水素を生成するには、高い技術基準における実施がカギとなります。PSIのBauer氏が率いる研究グループでは、「正しく管理することにより、ブルー水素はエネルギー移行に貴重な貢献をもたらす」暫定的な解決策を示しており、ブルー水素もグリーン水素と同様に環境に優しいエネルギーとして貢献する可能性を持つと説明しています。

水素社会を目指し、ブルー水素を強化する動きが活発化している日本。スイス技術との融合で環境負荷の少ないブルー水素生成技術の発展を加速できるのではないでしょうか。「欧州x日本」の技術によって、アジアと世界へと、よりグリーンな社会構築が実現できる日も夢ではないと考えます。スイスの研究機関との共同研究をぜひご検討ください。

 

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